島根県松江市にある本格的な中国茶専門のカフェ「雲悠茶房(うんゆうさぼう)」に行って来ました。
場所は松江城の南側にある茶町商店街の中にあります。徒歩で松江城大手門から10分弱、松江しんじ湖温泉駅からは15分弱ほどの場所です。
外観
渋い店構えの店舗。敢えてこうしているのか、自然とこうなったのかが判然としない感じが良いです。
ちなみにこの茶町商店街は、かつての城下町だっただけあり、道路は石畳に整備され、古い建物や昭和レトロな建物が並ぶなかなか趣のある通りとなっています。
お店の駐車場はおそらくありません。車の場合は、近隣のコインパーキングを利用することになります。
店内
店内はそれほど広くありません。テーブル席が片側に2つと、反対側に1つ。
それとカウンター席。カウンター内の棚にはたくさんの中国茶が並んでいます。
こじんまりとしていますが、テーブル同士の間隔がたっぷりと取られているので、ゆったりと寛ぐことが出来ます。中国?のポップミュージックが店内に流れていました。
入り口付近の棚にはお茶や茶器が並び、販売も行っています。
お店奥でも茶器がディスプレイ・販売されています。
中国茶に関する本もたくさん置いてあります。
テーブルの上はこんな感じ。
メニュー
あまり詳しくないのであれですが、中国茶には緑茶・白茶・青茶などの六大茶類に加えて、花茶などがあるようです。
写真はメニューの一部で、このように特徴を併記したお茶のメニューが何ページ分か続き、かなり種類は多そうです。
ホットの場合は、お茶請け付きで複数でシェアできる工夫(コンフー)茶(G)か、2杯分のお代わりが付くデミタスカップ(D)かのどちらかを選んで注文します。アイスの場合はグラス(一杯分)での提供。
「今月のおすすめ」もあるので、お茶の種類が多すぎて迷ってしまったら、ここから選んでみるのも良いかもしれません。
お茶請けは「ドライフルーツ」、「豆菓子」のどちらかを選べます。
杏仁豆腐や豆花(とうふぁ)といった手作りスイーツもあります。
玉蘭香単叢(ギョクランコウタンソウ) 工夫茶(G)2人分 (900円 + 1人分 300円)
メニューの中からなんとなく聞いたことがある単叢を注文。工夫茶を注文して複数でシェアする場合、一人目がお茶の値段、二人目からは300円での提供となります。
しばらくすると茶道具一式が運ばれてきて、中華服を身にまとった店主の方が、目の前でお茶を淹れてくれます。「工夫(こんふー)茶」とは中国の茶芸の一つ。流れるような動きでお茶を淹れる様子は、まるでショーのようで思わず見とれてしまいます。
最後は小ぶりな茶杯に注いで出してくれます。良い香りで、深く豊かなまろみのある味わい。なんだかぜいたくな気分になります。
二煎目以降は自分で淹れます。いつでもアツアツのお湯を使えるように、湯沸かしポットも卓上に設置されます。
正直、色々やってくれた後にいきなり放置されてしまって一瞬戸惑いますが、見た事を思い出しながら見よう見まねでやってみるとなかなか楽しいです。
ちなみに実際に淹れてもらった方法とは少し違いますが、大体下記の手順で行います。
1. 茶壷(急須)、茶杯(小さな湯呑み)、茶海(大ぶりの器)、聞香杯(細長い器)などの茶器を茶盤(もしくは茶船)に並べ、熱湯を注いで茶器全体を暖める。各茶器の湯は使用寸前に捨てる。
2. 茶壷に茶葉を入れ、高い位置から熱湯を茶壷から溢れるほどまで注ぐ。
3. 茶杓(竹べら)を用いて茶壷に浮かんだ泡を取り除いてから、茶壷にゆっくりと蓋をする。
4. 温度を一定に保つため、再度、茶壷に湯をかける。
5. 茶葉を充分に蒸らしたら、濃度を一定に保つために茶海に茶を最後の一滴まで注ぐ。
6. 茶海から聞香杯に茶を注ぐ(聞香杯を使うのは台湾の風習)。
7. 聞香杯から茶杯に茶を移し、聞香杯に残った香りを楽しむ。
8. 茶杯から茶を飲み、残り香を楽しむ。
・二煎目以降は蒸らし時間を延ばして淹れる。よい茶葉であれば葉が開ききるまで淹れることが可能。
工夫茶についてくる選べるお茶請けは、2人分なので「ドライフルーツ」「豆菓子」を一つずつ選択しました。どちらもあまり普段食べないものなので、これをつまみつつ淹れたお茶を飲んでいると、段々と非日常にトリップしたような感覚になってきます。
カウンターのお店の方のお茶の淹れ方を再確認したり。ちなみにお店の方は、中国の「高級茶藝師」という国家資格を持っているそうです。
杏仁豆腐(200円)
せっかくなのでデザートも。濃厚で舌ざわりの良い杏仁豆腐。ほのかな甘みが日頃の疲れを癒してくれます。
静かで落ち着いた雰囲気の店内。異国情緒を感じながら、ゆったりとしたひとときを過ごせました。
雲悠茶房(うんゆうさぼう)
住所:島根県松江市東茶町35
営業時間:11:30-18:00
定休日:火曜
駐車場なし/禁煙