倉敷市玉島の名物、夫婦焼(ふうふやき)のお店「オリンピック商会」に行って来ました。
場所はかつて北前船や高瀬舟の行き交う港として栄えた玉島港のすぐ近く。玉島港線(県道191号)から通町商店街へ向かう道に入るとすぐの場所にあります。新倉敷駅からだと車で10分程のところ。
「夫婦焼(ふうふやき)」とは、中に餡が入った円形の焼き菓子の事。一般的には「大判焼」や「今川焼」と呼ばれるもののローカルな名称で、その他に「ふーまん」と呼ばれることもあるようです。この名称が周辺のどの地域まで通用するかは不明。
今川焼は「おやき」 「回転焼き」「太鼓饅頭」「二重焼」など全国各地でローカルな名称がつけられています。また「御座候」等の商品名で呼ばれることもあり、これだけ呼び名がたくさんあると、出身地が違う人同士では話がかみ合わなくなってしまいそうですね。「ふーまん、おいしそー」「え、御座候の事?」「え?」みたいな。
外観
いかにも昔からやっています、という佇まいの店構え。お店は1933年の創業だそうなので、本当に長い歴史と伝統があります。
「元祖」「味自まん」等と書かれつつも地味目なテント看板がいい感じ。ところで「元祖」というのは、この地域での「元祖」なのか、本当の意味での元祖なのか。詳細は良く分かりません。
お店自体はこじんまりとしていますが、でも実は3階建て。橋を渡ってすぐの場所にあるので車でも割と分かりやすい。屋上にも地味な看板があります。
しかし「オリンピック」という店名はなんとなく唐突な印象がありますが、1936年のベルリン五輪の代表になりながら、出場できなかった地元選手の存在を忘れないためにつけられたとか。
窓ガラスの向こうでは、年季の入っていそうな焼型で「夫婦焼」を焼いています。
メニュー
メニューは「あずきあん」「うぐいすあん」の2種類で各100円。安いです。夏場(6月~9月頃)にはかき氷と看板にもあるソフトクリームも販売しているそうです。
周辺
ドリンクは建物脇の自販機で購入することができます。その向こうに見えるのは、昭和レトロ好きにはグッときそうな、趣のある「通町商店街」。
地元の人は左手の空き地の脇に車を停めたりしているようですが、お店の前の橋を渡った川沿いには、玉島商店街の駐車場(無料)があります。また、少し離れますが玉島図書館前にも車を停めらます(無料)。
かつて栄えた港町の趣が残る面白い地域なので、散策しながらお店に向かうのもお勧めです。「Always三丁目の夕日」のロケ地ともなっています。
お店の横の道路を挟んだ向かい側は、ちょっとした広場。
リバーサイドで、夫婦焼をその場で食べるのに良さげな場所となっています。
夫婦焼
店先で注文し、焼き上がりを少し待ってから受け取りました。焼きのタイミングによっては、結構待つこともあるようです。
包み紙からして渋い。
包み紙から取り出した夫婦焼。通常の大判焼より少し分厚いような気がします。ほかほかです。
元祖 夫婦焼 あずきあん(100円)
中身は北海道産の小豆を使った粒あん。豆が大きく、さっぱりとした甘さ。皮はもっちもちで、大粒のあんとの相性が良いです。ひとつでそれなりの食べ応えがあるのですが、それでもなんかもう1個食べたくなるような美味しさ。
元祖 夫婦焼 うぐいすあん(100円)
こちらはうぐいすあん。うぐいすあんが入った大判焼はあまり無いような気がするので、珍しいですかね。色鮮やかな緑のあんは、すこしねっとりとしていて、これまたもちもちの生地によく合います。黒いあんこかと思っていたら緑のうぐいすあんだった、という意外性があるので、手土産にしたりするといいリアクションが貰えそうです。
持ち帰りなどで冷たくなった場合は、電子レンジで約40秒温めた後に、トースターで1分ほど軽く焼くと、香ばしく美味しくいただけるそうです。
夫婦焼を頬張りながらお店の様子を見ていると、大行列ではないけれどいつも何となく人がたまっている、という感じでした。地元っぽい人たちが、散歩のついでにふらっと寄ったり、車を横付けしてさっと買って帰っていったりして、地元に愛されているお店なんだなという事が良く分かります。
だけど地元の人しか知らないのはもったいない、と思えるような美味しい夫婦焼でした。この近くには全国的にも有名なおはぎのお店「甘党の店 やまと」もあるので、甘いもの好きの人は、はしごをして食べ歩くのもいいかもしれません。
オリンピック商会
住所:倉敷市玉島3丁目1−1
営業時間:10:00~18:00
定休日:木曜日
駐車場なし