讃岐の奥座敷とも呼ばれる塩江温泉(しおのえおんせん)に行ってきました。
場所は高松中心地から南へ車で約40分、 徳島県との県境に近い山間部の川沿いにあります。
新樺川(しんかばかわ)観光ホテル
今回宿泊したのは新樺川観光ホテル。遠くからでもひと目で分かる高層の建物です。
ホテルは東館と西館があり、客室はほぼ西館にあります。
フロントや宴会場のある東館の3~10階部分は、なんとマンションとなっています。こんな事言うとあれですがこんな山深い所にどんな人が住んでいるのか気になります。リゾートマンション的な使い方なんでしょうか。
ロビー/フロント
広々としたロビーとその奥にフロント。フロントの向かい側には小さなバーラウンジがあり、珈琲、ビールなどが飲めます。
ホテルのWifiはロビーでのみ使用可のため、夕方から夜にかけて、結構な人たちがスマホ片手にくつろいでいました。
卓球Room
ホテル入口の近くにある、地下への扉を開けた所に卓球台が置いてあり、無料で遊べます。卓球台は一台しかないので、他のお客さんと譲り合って利用することになりますが、温泉といえば卓球、という人にはたまりませんね。
カラオケルーム「arcadia(アルカディア)」
卓球台の向こう、地下への階段を降りるとカラオケルーム「アルカディア」があります。
ホテルのウェブサイトには「ルイ15世の時代のフランスをイメージしたサパークラブ」と紹介されていて、サパークラブってなんだよ、と思ってしまいましたが、「食事ができる高級なナイトクラブ」(三省堂大辞林)というような意味があるようです。日本では少し違った意味合いで使われることもあるようですが。
シャンデリアの照明がつくと、確かにゴージャスな雰囲気。昭和のレトロな雰囲気が漂っています。
売店
フロントの先には、お土産や飲み物、アイス、つまみなど、なかなか充実した売店があります。ホテルの周辺の歩いていける範囲にお店はないので、なにか欲しいものがあればここを利用することになります。
大浴場
売店の先に大浴場。内湯と露天風呂、サウナ、水風呂があります。
それぞれそこまで広さはありませんが、露天風呂では山の緑と川のせせらぎでくつろいだ気分になります。アルカリ性の無色透明でヌルヌルとした温泉で、入浴後は肌がつるつるに。
朝6時から夜12時まで入浴が可能。朝10時半から夜9時までの時間帯は日帰りでの入浴も可能です。
渡り廊下
階段かエレベーターで2階に上がり、渡り廊下で西館に。この渡り廊下は東館の2階と西館の3階を結んでいて、天井には四国88箇所の切り絵が展示されています。近くには第88番札所の大窪寺があるそうです。
寒すぎず逆にいい塩梅の、効きの悪いエアコンの大きめの音に、なんだかノスタルジックな気分になってしまいました。
自販機
渡り廊下を渡った先の西館には、三階にだけ自販機コーナがあります。
客室廊下
廊下の左右に部屋があり、それぞれ山側と川側の眺望。和室、洋室ツイン、特別室の部屋タイプがあります。
和室8畳(川側)
よくある感じの和室で、冷蔵庫やテレビなど大抵のものは揃っていますが、ドライヤーだけはフロントで借りる必要があります。年季は感じますが、清掃の行き届いた清潔感のある部屋となっています。風呂・トイレ・洗面所付き。
窓からは川と山の緑が見え、穏やかな気持になれます。
そしてこのホテルの一番の目玉はリーズナブルな宿泊料なのに全室、源泉の温泉をひいていること。窓もない殺風景な浴室ではありますが、温泉だということで贅沢な気分になります。時間や周りを気にせず、のんびりとすることが出来ます。
蛇口から出る温泉は熱々で程よい湯加減にするのが結構難しい。温泉を半分くらいためてから水を足して調節するのがいいような気がします。なお、浴室にはシャワーやシャンプー類はありません。
レストラン
フロント脇から行ける朝・夕の食事会場のレストラン。「喫茶・レストラン」のレトロな雰囲気の表示がたまりません。
大きな窓で広々とした開放感のあるスペース。各テーブルもゆったりとした間隔の配置で落ち着きます。
夕食
今回は軽めの量の「おすすめ味覚プラン【梅】」。目玉はこのさぬき白味噌鍋。香川では白味噌文化があるそうです。
固形燃料で煮るタイプで、グズグズしていると仲居さんに早く具材を鍋に投入するよう促されます。固形燃料は時間が勝負です。
濃厚な白味噌のスープが、豚肉や野菜によく合います。具材がなくなってもついついスープだけ何度も飲んでしまうほど、クセになる美味しさです。
きのこの胡麻和えと刺身。
南瓜餡の茶碗蒸しに真薯がのっています。温かくほのかな甘さでほっこりします。
天ぷら。
きれいに盛り付けられた酢の物。さっぱりとします。
小椀の蕎麦。うどん県だけにうどんが出てくるかと思いましたが蕎麦でした。山の方は蕎麦が名物なのかもしれません。
シメのご飯、漬物にお吸い物。軽めの量のコースですが、相当お腹いっぱいになりました。これでも多いくらいです。
最後のデザート。濃厚な抹茶を使っていて、お茶とよく合い、スッキリとした気分になります。
ドリンクメニュー。
朝食
朝食メニュー。これと海苔とお櫃のご飯です。シンプルで程よい量。玉子焼きの隣りにいるのは讃岐の郷土料理しょうゆ豆で、多分初めて食べましたが、これだけでご飯が何杯もイケそうなポテンシャルを秘めていました。
味噌汁代わりの小鍋。
こちらにはそうめんが入っていました。敢えてうどんは出さないようにしているんでしょうか。香川に来たらどうせいろんな店でうどんを食べるつもりなんでしょ、という気遣いなのかもしれません。
その他
ホテルの周辺の歩いていける範囲には川沿いの遊歩道があるくらいで、お土産や飲食店が並ぶ温泉街のようなものはありません。なのでホテルの中で温泉に浸かったりしてゆったり過ごすことになります。
東館と西館に分かれているため、大浴場や食事会場が遠いという口コミもあるようですが、個人的にはそんなに気になりませんでした。ただ、ダラダラ過ごすには、やっぱり部屋でもWifiが使えるといいのにな、とは思いました。必要ない人は全然気にならないと思いますが。
あくせくと動きまわるのではなく、ただただのんびり過ごしたいという時にはぴったりの、古き良き昭和の雰囲気漂う宿です。
新樺川観光ホテル
住所:香川県高松市塩江町安原上東1-6
無料駐車場あり
道の駅「湯愛の郷しおのえ」周辺
新樺川観光ホテルから歩くと15分ほどと少し遠いですが、塩江温泉の中心地とも言える道の駅「しおのえ」周辺の情報です。
観光物産センターしおのえ
農産物やおみやげが買える物産センター。駐車場があまり広くなく、この日は混雑してカオス状態になっていました。
しおのえ産の野菜が並んでいます。
行基の湯・川遊び
道の駅の駐車場から向こうに見えるのは日帰り温泉や足湯のある行基の湯。残念ながら現在は改修中で、今年度中に再オープンの予定だそうです。この付近は多少、お店などもあるので少し散策するのもいいと思います。
そして下を流れる川では水遊びが出来ます。小さな子供たちがキャッキャとはしゃいでいたり、浮き輪でプカプカと漂っている人がいたりして楽しそうです。澄んだ水で冷たく気持ちいい。夏場は水着を用意しておくといいかもしれません。魚とりのイベントなどもやっているようです。
その他、春は桜、秋は紅葉が綺麗で、初夏にはホタルも見られるとのこと。どの季節に訪れても見所のある場所となっています。
アクセスの際の注意
高松方面からアクセスする場合、山道には注意が必要です。今回高松の東の方から向かったため、県道42号線を通りましたが、車一台がなんとか通れるほどの曲がりくねった狭い山道が延々と続くので泣きそうになりました。もし対向車が来たらこの曲がりくねった道をどこまでバックで戻らなければならないのかと考えると、冷や汗が出ました。
他の県道も険しそうなので、そんな思いをしたくないなら、多少遠回りでも空港の側を通る国道193号線を使うのが無難かと思います。