勝央町で開催中の、岡山を拠点に活躍するデザインユニット「COCHAE(コチャエ)」の企画展「紙ニケーション COCHAE20周年記念展」に行って来ました。
COCHAEは、玩具や雑貨の開発、パッケージデザインを手掛ける「あそびのデザイン」をテーマに活動するデザインユニット。デビュー直後のグラフィック折り紙で注目を集めたそうです。
企画展が行われているのは、勝央町の勝央美術文学館。周辺に文化施設が並ぶなかなか良いロケーションにあります。ちなみにこの勝央美術文学館も、COCHAEと同じく20周年を迎えるそうです。広い駐車場あり(無料)。
入り口はこちら。愛嬌のあるポスターが目印です。入って左側は図書館、右側に行くと美術文学館ですぐに受付があります。
1.遊びのデザイン
会場は3つのパートに分かれており、1つ目は「遊びのデザイン」。カラフルでコミカルな空間に思わずニッコリしてしまいます。館内展示物の写真撮影可。
〇△□のクリップモビール
一見すると単なるオブジェが並ぶ空間ですが、実はこれらオブジェクトは後ろの壁面に並ぶ丸や三角、四角のパネルに描かれた絵を分割して作られています。
例えばこの四角いパネルを分割して並び替えると…
こんなモビールになります。こうやって見ると元が四角形だったとは信じられません。
よく見ると簡単なクリップとリングで固定しているだけ。この誰でも簡単に出来そうなアナログ感が良いです。
その他、色々と展示されています。
これは上から見ても下から見ても顔になっている作品。古民芸ぽさのあるデザインです。
こちらは左右、正面、見る場所によって絵が変わる展示。こうやって紙を使った遊びって昔は色々あったよなと懐かしい気持ちになります。
どれも面白かったのですが、個人的に好きだったのは「紙のオノマトペ」。紙をこすったり、切ったり、くしゃくしゃにしたりした音を録音し、6個のスピーカーからそれぞれの音をランダムに流す展示です。
二度とない組み合わせの音が流れるとの事ですが、そんなことよりも多分こうやって日ごろからずっと紙をいじってるんだろうなと想像してしまって、変態だなと思っちゃいました(誉め言葉)。そうやって紙の特質とかを生かしたデザインを考えているんでしょうね。
展示内容の説明文も紙。しかも敢えて下側を留めずに浮かせている所にも変態度が感じられます(誉め言葉)。
2.コチャエの仕事
続いての展示は「コチャエの仕事」です。でかい折り紙とトリックアートのある受付前を横切って左側の展示室に移動します。
ここではCOCAHEが手がけてきたデザイン物が展示されています。
これは岡山名物のきびだんごのパッケージデザイン。山方永寿堂のものです。
COCHAEのパッケージデザインは、単なるグラフィックではなく、箱を空けて中身にたどり着くまでの過程が楽しくデザインされていて、どれも面白い。
その他の岡山みやげ関係では、「紅だるま」など佐藤紅商店の一連の商品や高梁紅茶のデザインを手掛けています。それから岡山のカフェ「ONSAYA(おんさや)」も手掛けていたとは知りませんでした。
こちらは手がけたポスターやチラシの展示コーナー。味のあるものばかりで、一つ一つじっくり見てしまいます。
ポチ袋や折り紙、かるたなどの紙雑貨もたくさん。いろいろと欲しくなってしまって困ります。
ジブリ美術館や長谷川町子美術館などで取り扱っているキャラクターグッズも色々ありました。
こちらは松たか子のファンクラブグッズだそうです。色々やっています。
3.コチャエの資料室
3つ目の展示は「コチャエの資料室」。メンバーのインスピレーションの源になっている資料が展示されています。
こちらは郷土玩具。郷愁を誘う姿形をしています。
その他、古い書物や玩具などがたくさん展示されていました。メンバーにはこけし好きがいるようです。
グッズショップ
展示を見終えた後は受付横のミュージアムショップへ。書籍に折り紙やカルタなどCOCHAEが手がけたグッズがたくさん並んでいます。壁面にディスプレイされているのは風呂敷。包むとコウモリやなまけものがぶら下がった形になるものもあって面白い。
展示で気になった海遊館や直島のグッズなどは残念ながら販売されていませんでした。こちらは現地に行って手に入れたいと思います。
おみやげ系では、佐藤紅商店の一部商品ときびだんごがありました。しかも最近全国的に人気らしい「紅だるま」は、たしか高梁・吹屋限定のはずの「粗挽」バージョンです。
というわけで、紅だるまと季節限定の特別パッケージ「お月見きびだんご」を購入しました。
「お月見きびだんご」については下記記事で紹介しています。
購入したものは美術文学館の封筒に入れてくれました。この独特のデザインの封筒も多分、COCHAEですよね。この封筒の下部分をカットすれば長型3号のリサイクル封筒になるようにデザインされていて面白いです。
体験コーナー
受付時に案内してくれますが、展示鑑賞後はカウンターに置いてある紙を使って遊ぶことが出来ます。
この独特のイラストがあしらわれた紙を、折り線の指示に従って山折り谷折りすると…
三角・丸・四角が現れます。意外と折るのが大変で、ムキになって無口になってしまいました。几帳面な人は定規などを持参するといいかもしれません。
黄色い紙は、様々な折り方をすることで色んな表情の顔が出来上がります。
実はこのデザインはチケットにもあしらわれていて、チケットでも遊べるようになっています。この展示会のポスターやチラシにも遊べる仕掛けが用意されているようで、遊び心が溢れまくり。さすが「あそびのデザイン」をテーマにしているだけあります。
館内には来場者たちの作品?がずらりと並んでいました。
最近は字を書くことが少なくなりましたが、こうやって紙を切ったり折ったりする事もめっきりなくなったなと痛感しながら久々に紙をいじっていたら、段々と懐かしい気持ちになって楽しくなってきました。童心に返ります。
その他、紙相撲もあります。力士だけでなく軍配やトロフィー、懸賞金なども用意されていて、芸が細かいです。
子供は勿論ですが、大人も楽しめる展覧会でした。楽しい時間を過ごせました。
「紙ニケーション COCHAE20周年記念展」
会場:勝央美術文学館
住所:〒709-4316 岡山県勝田郡勝央町勝間田207−4
会期:2023/7/21(金)〜2023/9/18(月)
開館時間:10:00~18:00
休館日:月曜 *9/18(月)は開館
料金:一般500円 高校生以下無料
*大学生・65歳以上は証明書提示で100円割引