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立派な商家の大邸宅を無料で見学!時代と共にアップデートを重ねた日本家屋【城東むかし町家(旧梶村邸)】@津山

津山市の城東地区にある江戸時代の豪商の邸宅「城東むかし町家(旧梶村邸)」を見学してきました。

 

場所は、津山城の東側、古い町並みが残る城東町並み保存地区の中にあります。旧出雲街道に面しており、無料の城東観光駐車場から徒歩2分の場所。

 

 

主屋

台所

玄関から主屋に入ると土間になっています。入場無料なのでそのまま進むと台所。かまどの上の蒸し器?では何を作っていたのか気になります。

 

靴を脱いで上がり、各部屋を見て回ることも出来ます。こちらはアンティーク感漂う箪笥。

 

新座敷

主屋の左側にあるのは新座敷。主屋自体は江戸後期に建てられたものですが、この新座敷は明治期に増築され、昭和初期にさらに改造されたもの。

 

部屋の二辺が外に面しているので明るく、庭園も眺められる気持ちの良い場所です。格子戸の細工も凝っています。

 

中の間

新座敷を出て北側に進むと中の間。こちらは元々の江戸後期に建てられた部分です。

 

仏間

中の間の奥には仏間があります。こじんまりとした部屋が並んでいますが、光も入って良い雰囲気。

 

廊下・階段

仏間の右の廊下を通ってさらに奥に行くと階段がありますが、二階は立ち入り禁止となっています。見学できるのは一階部分のみ。

 

階段の後ろにはトイレ。「男手洗」と書かれた木札の書体が味わい深いです。

 

階段手前を左に進みます。

 

座敷

現れるの立派な座敷。こちらは大正期に新築されたそう。先ほどの新座敷もあるので、一軒に二つも座敷いる?とか思ってしまいますが、お金持ちには必要なんでしょうね。

 

座敷からの庭園の眺め。この庭を眺めながら寝転がってダラダラと過ごしてみたいものです。いくらでもステイホーム出来そうです。左側に見えているのは先ほどの新座敷。

 

裏庭

一旦土間に戻って靴を履き、裏庭に向かいます。右に見えるのは明治期に作られた付属屋で漬物部屋などがあったそうです。

 

洋館

突き当りにあるのは大正期に作られた洋館。こちらは見学不可。浴室などがあったそうです。

 

洋館の手前を左に行くと、北側に二つの蔵が並んでいます。

 

展示室

扉が開いている東側の蔵は展示室になっており、この家に残るお宝が展示されています。タニマチ的な存在だったのか、普通に棟方志功の作品があったりしてすごいです。

 

蔵の二階に上がることもできます。こちらはこの邸宅の歴史の紹介や写真パネルが展示されていました。

 

それによるとこちらの一族は1760年頃から町役人を務め、名字を許されて茂渡藤右衛門と名乗っていたが、明治期より梶村姓を名乗るようになったそうです。ちなみにどんな商いをしていたかは不明なのだとか。

 

この2階の展示で気になったのは、奥津温泉の足踏み洗濯の様子をミニチュア化したものです。

 

一見普通によくできたミニチュアなんですが、よく見るとタバコの包装紙を使ったりして庶民的。

 

台座部分もタバコ「ピース」の包装紙を使ったりしているのに、ちゃんとゴージャス感が出ているのが見事です。その上にたくさん並べられた小さな折り鶴もすごい。まじまじと見てしまいます。

 

蔵を出て反対側は先ほどの座敷です。

 

茶室(千草舎)

さらに蔵と座敷の間を西に進むと茶室が現れました。昭和初期の建築です。

 

中に入っていいのか微妙だったので、外側から内部を写真撮影。ワビサビを感じられる渋い雰囲気です。

 

外から座敷を回り込んで南側にやってきました。二階も全面にガラスを使っていてかなり立派です。二階の見学は出来ませんが、どんな感じになっているか気になります。

庭園(泉水)

反対側は二つの座敷が面する日本庭園です。池に水は張られていませんでしたが、それでもバランスよく配置された緑に心癒されます。ちなみにこちらの庭園は昭和初期に作られたもの。

 

この家の広い敷地の西側部分は、江戸時代までは他家の敷地だったのを買い取ってその後拡張したそうで、明治以降も家業が順調だったことが分かります。逆に江戸時代まではそこまで大きな屋敷ではなく、普通の宿場町の商家といった趣だったのかもしれません。もともとの敷地は奥に細長いうなぎの寝床タイプだったぽいです。

 

こちらは序盤に見た新座敷を庭園から見たところ。ここだけ屋根が変わっていて後から増築されたことがよく分かります。

 

まとめ

江戸時代から明治、大正、昭和と時代と共にアップデートされていった日本家屋。その変遷を意識しながら見学すると、なかなか興味深い建物です。そして、そんな難しい事を意識しなくても、単純に大きな邸宅にテンションが上がって楽しめる場所でもあります。

 

しかも無料で、一階部分はほぼ自由に見て回れるのは太っ腹です。日曜日の午後に訪れましたが他の訪問客はおらず、写真は撮りたい放題、時々我が家のような気分でくつろいだりしながら満喫出来ました。おすすめの観光スポットです。

 

城東むかし町家(旧梶村邸)

住所:津山市東新町40

営業時間:9:00~17:00

定休日:火曜(祝日の場合は翌日)、年末年始

入場料:無料

駐車場あり(城東地区観光駐車場(無料)利用)

 

 

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