きび六

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紅葉の名所!雪舟の逸話が残る【宝福寺】@総社

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総社市にある紅葉の名所として知られる宝福寺(ほうふくじ)に行ってきました。このお寺は、室町時代の水墨画家・雪舟が修行し、有名なエピソードを残した場所でもあります。

 

場所は総社駅から北に車で10分ほど行った所で、伯備線の線路沿いにあります。

 

 

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線路沿いの道路から山門に向かう参道。だいぶ木々が色づいています。

 

左側からアクセスできる山門の前のあたりと、この右側が駐車場となっています。この日は交通整理員の方がいたので、紅葉の季節など混雑時には、駐車場所を案内してもらえるようです。

 

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こちらが山門。なかなか立派です。ちなみに例年はこの時期にライトアップを行っていますが、今年は中止となっているようです。理由は不明ですが、総社の豪雨被害などが影響しているんでしょうか。

 

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山門をくぐらず、塀づたいに左に行くと「少年雪舟像」が。備中赤浜(現在の総社市赤浜)出身の雪舟は、幼少時にこの寺に入り修行をしています。

 

宝福寺に入った幼い日の雪舟が、絵ばかり好んで経を読もうとしないので、寺の僧は雪舟を仏堂の柱にしばりつけてしまいました。しかし床に落ちた涙を足の親指につけ、床に鼠を描いたところ、僧はその見事さに感心し、雪舟が絵を描くことを許しました。

雪舟 - Wikipedia

 

この有名なエピソードを石像にしたのがこれ、というわけです。縛られた雪舟の膝の上にネズミが乗っています。描いたネズミが動き出した、という話も聞いたことがあるような気がしますが、話に尾ひれがついたバージョンなのかもしれません。

 

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山門から境内に入ると、カラフルに紅葉した木々が現れます。参拝客も多く結構な賑わい。

 

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ただ、紅葉よりもまず目の前のこの2本の大木に圧倒されます。まるで門のようにそびえ立っています。

 

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そのまま真っすぐ行って、まずは仏殿(法堂)で参拝。本尊は虚空蔵菩薩。ここにも雪舟の逸話の絵画が飾られています。政治家や実業家の肖像画を多く残した秋山清水による作品。

 

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堂内の格子の窓や戸の衣装がなかなか渋い。いい感じに光が取り込まれています。

 

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仏殿を出て左側に行くと、階段の先に見える門の向こうが開山堂。門は閉ざされていました。この辺りも紅葉が綺麗です。

 

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山門と仏殿の間の右手には池があります。池沿いに紅葉の方へ。

 

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その奥の階段を登ると鐘楼があります。応仁2年(1468年)の銘のある梵鐘で、岡山県指定重要文化財となっています。ただなぜか霊仙寺のために作られたと記されており、いつどういう経緯でこのお寺にやって来たのかは不明だそうです。

 

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その先は少し広場のような広いスペースとなっています。石畳にの上を真っすぐ進みます。

 

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謎のオブジェの先に見えるのが庫裏。御朱印はこちらで受け付けています。

 

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この庫裏の前の謎のオブジェと枯山水の庭園は、どこかモダンな雰囲気がして悪くないです。

 

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庫裏の隣が住持の居室や、仏事法要や訪問客の接待が行われる方丈となっています。

 

この方丈内は普段公開はしていないのですが、紅葉の時期(今年は11/15-18)に特別に公開をしています(志納金500円)。公開の詳細は不明ですが、「秋期特別方丈公開」として、雪舟にまつわる品々や寺の什物が展示されるようです。庫裏の方で受付をするみたいですね。

 

訪れたこの日は11月11日。残念ながら一週間早すぎました。

 

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そしてこの方丈がまさに雪舟が柱に縛られ、ネズミの絵を書いた場所。ただ、建物自体はその後に焼失し、2度建て直されているとのこと。雪舟とネズミのこの構図を観るのはこの日三回目で、ちょっと飽きてきました。やりがちですが、作り過ぎは良くないです。ありがたみが無くなります。

 

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方丈から仏殿の方向に歩くと、少し高い所に見えるのが経蔵。

 

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さらに歩いて仏殿の裏へ。この辺りが一番紅葉が見事です。苔むした緑に赤黄が映えます。

 

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その一角にひっそりとあった井戸。元は天台宗のお寺を臨済宗に改宗した鈍庵和尚が、病気の四条天皇のために祈祷した所、7日目の明け方にこの地に客星が落ちて、天皇の病気が平癒した、ということがあったそうで、その星の落ちた場所に掘ったのがこの井戸。

 

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井戸は「千尺井」と名付けられ、山号の「井山」というのもここから取られているとのことで、実はかなり重要な井戸。このことがきっかけとなり、大きく発展したそうです。

 

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ちょうど仏殿の真後ろ、経蔵の隣にある階段の先には三重塔が見えています。戦国時代に一度ほとんど焼失した境内の建物の中で、唯一、三重塔だけが戦火を免れました。南北朝時代の建築とされており、国の重要文化財に指定されていいます。

 

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左手の木々の奥にひっそりと立つ雪舟碑。水墨画の雪舟らしい渋い場所にあります。

 

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三重塔まで階段を登り、左手に何やら湯どうふの文字が書かれた灯籠が。

 

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そのまま車道を越えて進むとあるのが「井山般若禅庵」。こちらでは精進料理である湯豆腐が食べられたり、座禅体験が出来るようです。禅寺ですもんね。

 

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三重塔まで戻って、さらにその奥に皆が歩いていくので、あとに従ってついていきました。

 

実録・橋本龍太郎

実録・橋本龍太郎

 

ちなみにこのお寺には総理大臣も務めた政治家、橋本龍太郎のお墓があるそうですが、場所は分かりませんでした。橋本龍太郎の祖父がこの地の出身だそうです。

 

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この辺りも紅葉が綺麗です。

 

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紅葉したり、しなかったりのもみじ。見頃はまだなのか、もう過ぎたのかよく分かりません。

 

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何かあるかと思ったのですが、特に何もなく駐車場に着きました。ここにも駐車場があるんですね。しかもここが第一駐車場です。ぞろぞろ歩いていた人たちは、車に戻っていただけでした。

 

ただこちらの駐車場はお寺の横の狭い山道を登らないといけないし、こちらからだと寺の裏から見て回ることになるので、山門の近くの駐車場に停めたほうがいいような気がします。

 

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駐車場の一角には「精進料理 金亀(きんき)」があります。元々お寺で精進料理を振る舞っていた方が、こちらでお店をオープンしたとかで、本格的な料理を頂けそうです。

 

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店の前にあったメニュー。湯豆腐は総社名物の「玉とうふ」を使っているようです。珈琲や紅茶、ぜんざいなどの喫茶メニューもありますね。

 

臨済宗東福寺派 井山宝福寺

住所:総社市井尻野1968

参拝時間:5:00〜17:00

駐車場あり

 

 

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もっと知りたい雪舟 ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)

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