きび六

岡山県発、地域情報を発信するブログです。

吉備津神社のすぐ近く!茶祖・栄西の生誕の地【栄西禅師生誕地】

f:id:kibi6:20210308190312j:plain

岡山市にある吉備津神社に行った際に、鎌倉仏教・臨済宗の開祖・栄西(えいさい/ようさい)の生誕地に立ち寄ってみました。

 

栄西は1141年に吉備津神社の権禰宜( ごんねぎ*神職の役職)の子として誕生し、中国・宋に2度渡って臨済宗の禅を日本に伝えました。また喫茶文化を再興した人物としても知られています。 

 

吉備津神社の境内入口

f:id:kibi6:20210308190323j:plain

吉備津神社の長い回廊の南側にある境内入口からスタート。ちなみに神社には北側にも境内入口があるのですが、こちらの入口とはどういう関係なのか気になります。北側から入って参拝し、長い回廊を通ってこちらから出るのが一般的なルートだったりしたのでしょうか。もしくはどこからでも入りやすいようにしてあるだけなのかもしれません。

 

 

狛犬

f:id:kibi6:20210308192424j:plain

ここの狛犬はなかなか面白い顔をしています。こちらは耳が特徴的。

 

f:id:kibi6:20210308192437j:plain

そしてこちらはなんだか憎たらしい。

kibi6.hatenadiary.jp

 

鳥居

f:id:kibi6:20210308192446j:plain

境内を出て、参道を少し歩くと鳥居がありました。

 

道標

f:id:kibi6:20210308192456j:plain

鳥居を出てすぐの道端に道標が。「左 こんぴら道」と書かれており、1833年に置かれたものらしいです。

 

f:id:kibi6:20210308192527j:plain

こちらが香川県の金比羅宮へ向かう道。建ち並ぶ建物や道のサイズ感に趣があります。今はそんな感じが全然しませんが、かつて吉備津神社の周辺は、芝居小屋や遊郭などが建ち並ぶ有数の歓楽街だったそうなので、この辺りもさぞや賑やかだったのでしょうね。

 

f:id:kibi6:20210308192538j:plain

金比羅宮に向かう道を反対方面に、左ではなく右に曲がって北に向かいます。幅の狭い道で昔ながらの通りのようです。ときおり地元らしき車が結構な勢いで走り抜けていきます。勝手知ったる道といった所でしょうか。初めて訪れる人が運転するには難易度が高そうな道です。

 

普賢院(ふげんいん)

f:id:kibi6:20210308192548j:plain

しばらく歩くと特徴的な塀のお寺が現れました。この壁は「築地塀(ついじべい)」と言うようです。

 

この寺は「普賢院(ふげんいん)」で、吉備津神社の別当寺。このお寺の背後にある大きな池を持つ宇賀神社も吉備津神社の摂末社なので、吉備津神社の社領の広さに驚かされます。

 

山門

f:id:kibi6:20210308192611j:plain

参道の途中にある山門内の仁王像がなかなか立派です。

 

境内

f:id:kibi6:20210308192622j:plain

境内の向こうには、吉備津神社の本殿の屋根が。

 

吉備路自転車道

f:id:kibi6:20210308192632j:plain

さらに先へ歩くと「栄西生誕地」の道案内が現れました。実はそんな場所があることを知らずに散策していて、そろそろ戻ろうかと思っていた時にこの案内を見つけて、急遽行ってみる気になりました。

 

ちなみに「栄西」は「えいさい」と読むと思っていたのですが、この英字表記では「Yosai(ようさい)」となっていますね。栄西が開山した京都の建仁寺の寺伝では「ようさい」と云っていることから来ているようで、一般的なのは「えいさい」でいいみたいです。

 

そしてこの通りは岡山市と総社市を結ぶサイクリング道、吉備路自転車道の一部でもあります。

 

f:id:kibi6:20210308192705j:plain

この通りにつながる路地はさらに細い道となっています。雰囲気があって良いです。ふらふらと迷い込みたくなります。

 

f:id:kibi6:20210308192716j:plain

さらに先に進むと道路わきに水路が現れました。

 

栄西禅師生誕地(ようさいぜんじせいたんち)

f:id:kibi6:20210308192727j:plain

そして栄西の生誕地に到着。50m手前の道案内は立派だったのに、現地の表示は意外と地味でした。

 

f:id:kibi6:20210308192757j:plain

曲がりくねった路地を進んだ奥まったところにあります。

 

f:id:kibi6:20210308192808j:plain

こちらが入り口。手前の梅がいい感じ。中に入ってみます。

 

f:id:kibi6:20210308192823j:plain

中はそんなに広くないこじんまりとしたスペース。栄西はそこまで職位が高くない神職の子なので、庶民的なサイズの家だったという事なんでしょうか。

 

f:id:kibi6:20210308192853j:plain

真ん中には栄西の偉業を称する石碑が祀られています。

 

f:id:kibi6:20210308192905j:plain

ちなみにこの石碑、再整備後に栄西禅師が西に向かって礼拝しているような模様が浮かび上がってきた、とか言われているようです。それを踏まえてじっくり見てみた感想としては、うーん苦しい、です。でも「鰯の頭も信心から」なので、野暮なことは言わない方が良さそうです。

 

f:id:kibi6:20210308192916j:plain

石碑の左手前には手水鉢。

 

f:id:kibi6:20210308192945j:plain

この場所は町内の方が定期的に清掃されているようで、敷地内はきれいに整備されています。

 

f:id:kibi6:20210308192956j:plain

庭の片隅に植えられた木に咲く黄色い花がきれいです。これは「サンシュユ」でしょうか。

 

f:id:kibi6:20210308193008j:plain

この場所は元は総社の宝福寺の土地だったのが、栄西の生誕地ということで栄西が開祖である建仁寺に寄進されたとの事。だから「えいさい」ではなく、建仁寺の呼び方である「ようさい」禅師生誕地となっているのかもしれません。

kibi6.hatenadiary.jp

 

f:id:kibi6:20210308193034j:plain

石碑の右側には灯籠と大きな茶碗型の顕彰碑。

 

f:id:kibi6:20210308193041j:plain

茶の普及・奨励に努め、日本の「茶祖」とも呼ばれているから大きな茶碗型の石碑を、というのは安直で逆に面白いです。

 

f:id:kibi6:20210308193052j:plain

左手には屋根のついたベンチがあり、座ってゆっくりと庭園内を眺められるようになっています。そして、そのベンチの下にあった「ぬか袋入れ」が気になります。

 

まとめ 

こじんまりとした広さの場所。見どころ満載というわけではないので、栄西に強い関心がある人以外にはあまり面白い場所ではないかもしれません。ただ、吉備津神社を訪れた際に、周辺を少し散策するついでに立ち寄るにはありかも、と思います。

 

吉備津神社周辺は、古い建物がたくさん残っているというわけではないのですが、細い道が多くて当時の様子を想像しながら歩くとなかなか面白いです。

 

栄西禅師生誕地も、当時の様子がどんな感じだったのか興味があったのですが、生誕地として整備された経緯についての説明ばかりで、それについては一切情報がなかったのは残念でした。ただ千年近い昔の事なのであまり詳しい事は分からないのかもしれません。別の場所、吉備中央町で生まれたという説もあるようですし。

 

栄西禅師生誕地

住所:岡山市北区吉備津1454

入場料:無料

駐車場なし

 

 

kibi6.hatenadiary.jp

kibi6.hatenadiary.jp