きび六

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昭和初期の面影をそのまま残す駅!寅さんも訪れた【美作滝尾駅】@津山

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令和の時代に昭和初期の面影を残す駅「美作滝尾駅(みまさかたきおえき)」に行って来ました。この駅舎は映画「男はつらいよ」にも登場しています。

 

美作滝尾駅は、鳥取駅と岡山県津山市の東津山駅を結ぶ因美線(いんびせん)の駅。東津山駅からは2駅目となります。

 

 

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車だと津山駅から30分ほどの場所。県道6号線から少し細い道に入り、しばらく行くと駅の入り口です。入り口には駅名と共に「寅次郎 紅の花 ロケ地」とでかでかと書かれた看板が出ています。

 

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遠くに駅舎が見えています。この駅に向かうアプローチがすでに良い雰囲気です。

 

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木造の駅舎が見えてきました。

 

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右手には公衆電話。今やこれですら物珍しがられそうです。

 

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駅前は広い広場になっています。少し駅舎を見るぐらいならここに車を停めていいかと思います。そして奥に見える木造の建物が気になります。

 

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建物を回り込んでみると待合室のようでした。ただ昔は貨物の倉庫だったようで、よく見ると手前がホームのように段差になっています。本線からこちらの側線のホームに列車が入ってきて、貨物を積み下ろしをしていたということですかね。

 

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どこからどう見ても完全なる木造です。

 

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そしてこちらが駅の全貌。昭和3年(1928年)に建てられた木造平屋建て(30㎡)。昭和初期の標準的小規模駅舎ということで、この駅の佇まいに懐かしさを感じる人がいるかもしれません。登録有形文化財。

 

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入り口左には大きな「鐵道(鉄道)七十周年記念」の石碑。それっていつだ?と思って側面を見たら昭和17年(1942年)との事。そうとう昔です。

 

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こちらが駅入り口。手書きの駅名がいい味を出しています。

 

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そして、右側には「男はつらいよ ロケ記念碑」の石碑。ロケは平成7年(1995年)10月20日に行われたそうです。

 

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作品は「男はつらいよ 寅次郎紅の花」(シリーズ第48作)。寅さん演じる渥美清の生前最後の作品です。

 

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この駅舎が登場するのは映画の冒頭。寅さんが駅のホームで指をくるくる回してトンボを捕まえようとするシーンで使われました。

 

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こちらは駅の側面。奥行きもなくこじんまりとしている事が良く分かります。

 

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入り口の両脇の松が門のようです。

 

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というわけで駅の中へ。

 

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シブい手書きの駅名標の奥には、ローマ字表記ありのちゃんとした?駅名標が。でもこれもそれなりに年季が入っていそうです。

 

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駅舎内の右側はベンチ。

 

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左側は各種窓口になっています。嘘みたいにレトロな空間です。

 

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窓口側の左は切符売場。

 

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右側は手荷物取扱所。とはいえ無人駅なのでこれらは現在使用されていません。

 

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手荷物取扱所の窓口カウンターには、訪問者が思い思いのメッセージを残す「旅の思い出ノート」が置かれていました。

 

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そして、上には「男はつらいよ」撮影時の写真が飾られています。

 

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これは寅さんがトンボに向かって指をグルグルしているところでしょうか。

 

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窓口の向こうの駅事務室内を覗き込むと、まるで時間が止まっているかのような空間が広がっています。「男はつらいよ」のうちわがいいですね。

 

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片隅には駅の模型も置いてありました。

 

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通常は駅事務室に入れませんが、毎年春と秋に行われるイベント「みまさかスローライフ列車」では、中に入ることが出来るみたいです。

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ホームに出てみました。こちらは津山方面。線路はもちろん単線です。線路の向こうに広がる田んぼでは、稲穂が風で波打っていました。のどかな風景です。

 

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こちらは鳥取方面。遠くに見える入道雲がいい感じ。ノスタルジー。

 

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ホームの駅名標。隣は高野駅と三浦駅。

 

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ホームの一角にはリヤカーや計量器?が。奥に竹ぼうきなどの掃除道具が立てかけられてるのも地味にいい感じです。

 

この駅は地元町内会の方が清掃や管理などをしているそうで、古いですが手入れは行き届いています。頭が下がります。

 

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木製のベンチ。

 

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さりげなく「男はつらいよ」のポスターも貼られています。ちなみにこの第48作は、この駅以外にも岡山県の津山・城東の町並みや湯郷温泉、井倉洞、勝山の町並みなどが舞台となっています。

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この一角はいい雰囲気。しばしベンチに座ってボーッとしたくなります。ポーズをとって写真を撮るのも良さそうです。

 

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こちらは木製の改札口。

 

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ですが無人なので、その脇に使用済みきっぷ運賃投入箱が設置されています。

 

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電車の乗り方はこんな感じ。ワンマン列車なので、バスと同じようなシステムです。

 

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しばらく写真を撮ったりしていたら、運よく電車がやってきました。だいたい上り下りとも一時間に一本あるかないかなので貴重です。

 

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列車は一両。意外とたくさんお客さんが乗っていました。

 

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しばらく停車した後、列車はあっけなく去っていってしまいました。

 

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トンネルの中に列車が消えていくのを見届けて、この駅を後にしました。こちらから見える景色も郷愁を誘います。

 

まとめ

片田舎にある小さな駅なので、正直誰もいないだろうと思っていたのですが、訪れた時にはすでに先客がおり、あとからも数組やって来てなかなかの人気ぶり。侮っていました。でもよく考えれば鉄道好きと寅さん好き両方の重要スポットなので、当然と言えば当然なのかもしれません。

 

こういう駅があると知っていたから来たのに、実物を見るとやっぱり感激してしまいました。次回は列車にも乗ってみたいです。

 

美作滝尾駅(美作滝尾駅)

住所:津山市堀坂

 

 

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