PCのオーディオ環境をお手軽にランクアップするために、Douk Audioのアンプ「Tone」を購入しました。
経緯
それまでのPCのオーディオ環境は、PCの内蔵スピーカーと直挿しのヘッドホン。それなりに満足はしていましたが、ちゃんとしたスピーカーで音楽を聴きたいなと思うようになり、それにはアンプが必要ということで、色々調べてみました。
欲しいアンプの条件
アンプについて調べ、色々考えた結果、USB入力、Bluetooth接続、ヘッドホン出力できる全部入りのアンプを探すことに。こだわる人ならアンプ、DAC、ヘッドホンアンプと分けるのでしょうが、とりあえずお手軽さを優先して全部入りのアンプでリーズナブルなもの、ということにしました。
調査
この条件で色々と探して見ましたが、ヘッドホン出力がネックで意外とない。それでも頑張って探して見つかったのをまとめたのが、下記のリンクです。
決定
選択肢はほとんどなかったわけですが、リーズナブルかつ口コミでそれなりの評価を得ていた「Douk Audio」の「Tone」に購入決定しました。
購入/到着
今回はAliexpressで購入しました。日本で買うより1000円ほど安くなるというのもありますが、Aliexpressを一度使ってみたかった、というのが一番の理由。
納期13-20日の「AliExpress Standard Shipping」で注文したのですが、これがなかなか届かない。毎日、配送状況を確認してはまったく動きがない事に失望する日々を過ごしました。
結局、5/29に注文して、ちょうど1か月後の6/29に届きました。
おそらくコロナの影響で物流が世界的に滞っているからだと思いますが、悠長に待っていられない人は国内のサイトで買った方がいいと思います。
開梱
20センチ四方の箱に梱包されて届きました。目立つ損傷もなく、それなりの扱いを受けて中国からやって来たようです。
中身の確認
開梱すると小さな説明書、その下に本体とそれよりも大きいACアダプタが現れました。
その他の付属物はこんな感じです。入力ケーブルが各種同梱されているのは有り難い。別にケーブルを用意しなくても各種デバイスを接続することが出来ます。
同梱品
- 本体(デジタルパワーアンプ)
- 19 V 電源
- USB ケーブル
- RCA ケーブル
- 3.5 ミリメートル AUX ケーブル
- 英語マニュアル
本体
本体カラーはブラック、ブルー、シルバーの三色から選べますが、無難な黒を選択しました。前面はミラーパネル、その他はプラスチックで重量は280gと軽い。
商品説明の写真では、前面の各種LED表示がすべて点灯していてとてもダサく見えるのですが、実物はそうでもないです。
上部
本体上部はボリュームノブと電源ボタン。
ボリュームノブの回し心地は軽く、クリック感があります。ボタンにもなっていて、押すことでBluetooth/auxのモードを切り替えることが出来ます。USB/RCAのモードは接続している時のみ選択可能。
電源ボタンは2秒の長押しでオン/オフ、普通に押せばプレイ/停止を切り替えられます。オン/オフを長押しにしているのが不思議な仕様です。
前面
前面にはUSB/auxの入力端子とヘッドホン出力端子。USB入力端子は、一昔前のアンドロイドスマホで主流だった「micro USB Type-B」となっています。鏡面仕上げなので、余計なものが映り込んで写真が撮りにくいのが難点です。
LEDランプで電源のオン/オフの状態、選択している入力機器が表示されます。さらに音量レベルも左右に表示されますが、全く同一のものが表示されるだけなので、これは一つで良かったかも。
背面
背面にはスピーカー出力端子、RCA入力端子、電源端子があります。
スピーカー端子はネジ式で、スピーカーケーブルの芯線を差し込んで締めるタイプ。着脱が簡単なバナナプラグも使用できるはずです。
背面
背面はこんな感じ。本体が結構軽いので、ちょっと触っただけであちこちに動いちゃうかなと思いましたが、意外と定位置をキープしてくれます。
付属品
ACアダプタ
ACアダプタ―は出力19V/3.42A のもの。スカスカ感があって軽いです。「3-8インチ(約8-21cm)のスピーカーを鳴らすには十分だけど、もっと大きいスピーカーを鳴らす場合は別に出力の大きいACアダプター(外径5.5mm、内径2.1-2.5mm)を用意してね」との事。出力は24Vまで。
Aliexpressで購入するにあたって心配だったのは、電源プラグの形状。商品説明の写真ではCタイプぽかったので変換プラグが必要かなと思っていたのですが、ちゃんと日本で使えるタイプの電源プラグでした。出荷する国ごとに適した電源プラグを同梱しているのかもしれません。
説明書
説明書は英語。じっくり読みこまなくても、適当にいじっていれば何となく使い方は分かってくるかと思います。
一点、気を付けるべきは「ACアダプターは、まず本体に接続してからコンセントにつないでね。逆だと火花が出ることがあるよ。そうなっても全然本体には問題ないけどね。」という記述がある事。
こういうのって発売後に発覚して、苦肉の言い訳めいた感じで「仕様です」と言うものかと思っていたんですが、説明書にがっつりと書いてあるということは、最初から承知の上なんですね。「でも問題ないから」ということでそのまま発売したと。おおらかです。怖くて試す気にはなりませんが。
その他に用意したもの
スピーカー
音楽を聴くにはアンプだけでなくスピーカーも必要ということで、近場のハードオフをまわって、ジャンク品の「音出ました」という記載のあるスピーカーを購入しました。
購入したのはケンウッドのLS-K711で3,000円ほどでした。さらっと「購入した」と言っていますが、型番を何個もメモってネットで発売当時の価格や評価を調べ、今の価格や状態なども考慮した上で、迷いに迷って購入しました。
PCオーディオを始めるには最初にアンプとスピーカーをそれぞれ選ばなければいけない、というのが敷居が高い感じがします。取っ掛かりとして、PC接続のできるミニコンポやアクティブスピーカーからはじめるのもいいのかも、と思ったりしました。
それから今回は、アンプ注文と同時にスピーカーも購入したのですが、アンプが届くまでの一か月間、このジャンク品のスピーカーは本当に音が出るのか?とヤキモキとしながら過ごさなければいけなかったので、ちょっと精神的にこたえました。
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スピーカーケーブル
購入したスピーカーにケーブルは付属していなかったので、これまたハードオフで探してスピーカーケーブルを購入。300円ほどでした。
DENONのケーブルですが、詳細は不明。
セッティング
本体にACアダプター、スピーカーをつないでセッティング完了です。スピーカーは若干内向きにしました。
音出し
Bluetooth
電源ボタンを長押しすると、Bluetoothモードが選択された状態でオンになり、LED表示は点滅の状態。スマホなどの送信側のデバイスで「Douk Audio TONE」を探しペアリングすると、LEDが点滅から点灯に変わり、音が出るようになります。
稀におかしくなる時がありますが、Bluetooth5対応で基本的には安定しています。
USB接続
PC
アンプにUSBケーブルをつなぎ、電源をオンにした状態でPCに接続すると自動的にUSBモードになり、音が出るようになります。特別な事は何もしなくていいので簡単です。
注意したいのは設定にもよりますが、結構音がでかい事。音量ゼロの状態からボリュームを1クリック分回しただけで、かなりの音量になって焦ります。
Windowsの場合は、タスクバーの「サウンド」を右クリック、メニューから「音量ミキサー」を選択して、調整することで良い感じになります。自分の場合は、メインの音量を40、各アプリケーションの音を1に設定しています。
・WASAPI
ソニーの音楽アプリ「Music Center for PC」で、出力を音の劣化を防ぐという「WASAPI排他」 にして音出ししてみましたが、音がでかすぎなのと雑音が混じるのとで全然ダメでした。WASAPIの使用はあきらめたほうが良さそうです。
スマホ
付属のUSBケーブルのデバイスにつなぐ側のコネクタ形状はUSB Type-A。そのままつなぐことは出来ないので、ダイソーで「変換アダプター」を購入しました。
USB Type-Cに変換してスマホにつなぐと、特に何もしなくても音が出るようになりました。ただし充電は出来ません。
RCA、AUX接続
その他、RCA、AUX接続が出来ますが、こちらは未チェック。
音質はBluetooth < USB接続
BluetoothとUSB接続の音質は、USB接続の方が良いです。Bluetoothは音の広がりが抑えられているような感じ。aptXなどの高音質の伝送方式には対応していないようです。
動き回ったりするわけではなく、ほぼ机の前での作業時だけに使うので、基本的にはUSB接続でPCかスマホをつないでいます。音もいいし、毎回無線でつなぐよりも物理的につなぐ方が直感的なので簡単です。
ヘッドホン出力
はじめてヘッドホンで聴いてみた時、片側からしか音が聞こえず凹みましたが、プラグの差し込みが甘かっただけでした。初回だけだと思いますが、かなりの力でプラグを押し込む必要があります。
ちゃんとつなげば、聴こえるのは雑音のないクリアな音。特にPCは直接ヘッドホンを挿すと雑音が混じるようになっていたので、アンプを介したクリアな音は嬉しかった。ただ、スマホは直挿しの方が音が良い気がするので、そこそこの性能といったところだと思います。
その他
ボリューム
PC接続の時に少し触れましたが、プレイヤー側の音量調節がかなり重要です。ボリュームノブを少し回しただけで大音量になったり、思っている以上に回さないと望んだ音の大きさにならなかったりで、自分の感覚に合う設定にするのがなかなか難しい。
それからモードを切り替えるたびに音量はリセットされるので、警戒して音量をゼロにしていたのに、設定していたモードが違っていて切り替えた途端に大きな音が流れる、みたいな心臓に悪い事が起きたりもします。
電源ボタンでのプレイ/停止
電源ボタンを押してのプレイ/停止は、USB接続の場合は出来ません。Bluetooth接続の場合は可能。
USB Type-C 接続にすると便利
スマホ用にUSB Type-Cへの変換アダプターを購入しましたが、PCにも端子があってType-Cで接続できるので、PC/スマホで併用するならかなり便利です。毎回上下を間違えてしまうというType-A端子のあるあるを回避できるし、脱着も摩擦が少ないので楽。毎回の小さなストレスがなくなります。
ケーブルとコンセント差込口
PCまわりはただでさえコードでごちゃごちゃになりがちですが、今回のアンプ追加でさらに電源コード、スピーカーケーブルが加わり、ますますごちゃごちゃに。
電源もPC、モニタ、プリンタに加えて、アンプ分も追加されるので最低でも4口必要になります。でかいACアダプタがモニタの裏にいくつも転がっている状態。この辺りはもう仕方がないとあきらめています。
PCとモニタをUSB PD(Power Delivery)対応のものにしたり、スピーカーをアンプ内蔵のワイヤレススピーカーにすれば、いくらかはスッキリするかとは思いますが、とりあえずは現状のままでいきたいと思います。
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Douk Audio? Nobsound?
アンプ本体には「Douk Audio」と記載されているのに、アマゾンの商品紹介ではブランド名が「Nobsound」になっていて若干混乱します。箱の説明書きに『「Douk Audio Studio」は「Douk Audio」「Nobsound」という二つのブランドを持っています』とあるので、どちらも同じ会社のブランドみたいです。
前のモデルは「Nobsound」ブランドで出して、今のモデルは「Douk Audio」で出した、という経緯があるようです。結局混乱しますが、まぁ中国なのであまり神経質になってもね、という感じですね。
まとめ
やっぱりスピーカーは良い!
比較対象はノートPCの内臓スピーカーなので、当然ですが断然音は良い。PCやスマホの内蔵スピーカーだと、そこから音が出ているのが丸わかりですが、パッシブスピーカーは周辺全体で音が鳴っている感じで、長時間聴いていても疲れにくい。音楽を聴くのが一段と楽しくなりました。
それから映画の音が一気に良くなったのは嬉しい誤算。カフェなどに行けば、スピーカーで音楽を聴く事は割とよくあるので、どうなるかは大体想像できていましたが、テレビ内蔵スピーカーではなく、ちゃんとしたスピーカーで映画の音を聴く事は意外とないので、こんなに音が良くなることはぜんぜん想定していませんでした。映画館じゃなくても映画ってこんな臨場感のある音が出せるの?と軽く感動しました。
とは言え、あまり大きい音を出すのは憚られるので、結局ヘッドホンをして観てますが。それが許される環境にいる人にとっては、大きなプラスポイントになるかと思います。
アンプ、スピーカー、スピーカーケーブルの購入でかかった費用は大体8千円ほど。1万円足らずの投資で一気にPCまわりのオーディオ環境が良くなり、豊かな気分になりました。
今後の展開も容易に
さらに、ここまでしておくと、スピーカーやアンプを入れ替えたり、単体DACを追加する等の今後の展開も容易になります。様子を見ながらグレードアップしていく最初の一歩としても良いかもしれません。