きび六

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世界屈指のラジウム温泉!【三朝温泉】を散策

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鳥取県にある世界屈指のラジウム温泉「三朝温泉(みささおんせん)」。ホルミシス効果により浸かってよし、飲んでよし、吸ってよしと云われています。そんな三朝温泉を訪れ、周辺を散策してきました。

 

三朝温泉ほっとプラ座(三朝温泉観光案内所)・たまわりの湯

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まずは観光情報を収集しに観光案内所へ。右の建物は外湯の「たまわりの湯」。建物の前は無料の温泉広場駐車場です。ただし、わずか7台分しかありません。

 

 

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周辺の地図や顔出し看板があります。

 

三朝温泉ほっとプラ座

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三朝温泉ほっとプラ座(三朝温泉観光案内所)では周辺情報をゲットできるのはもちろん、フォトプロップス(写真用の小道具)が置いてあったりもします。これを持って写真を撮ればSNSなんかで映えるかと。

 

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そして温泉地からほど近い場所にある日本一危険な国宝と言われる「三徳山投入堂(みとくさんなげいれどう)」に関する情報も。

 

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写真かと思ったら、実は精巧にできた模型だった投入堂。賽銭箱も置いてあるのでここでお参りしておけば、命がけで現地に行かなくても大丈夫です、多分。

 

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元は投入堂の本尊で今は三徳山三仏寺(さんぶつじ)宝物殿に安置されている重要文化財「木造蔵王権現立像(もくぞうざおうごんげんりつぞう)」のフィギュアもありました。こちらはみうらじゅんが責任監修をしているそう。躍動感があります。これは実物も見てみたい。

 

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そして無料で観光ポスターももらえます。部屋のインテリアに溶け込ませるのは難しそうですが、旅情は掻き立てられそうです。

 

三朝温泉芸能一座 あったか座

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館内には小さなステージがあり、夜には地元の郷土芸能や三味線・琴などの演奏が定期的に行われています。旅先で普段あまり縁のない伝統芸能に触れるのも非日常感があって良いですね。クライマックスは皆ノリノリでした。

 

有料(500円)ですが、旅館からお客さんを連れ出して夜の街に賑わいを生み出すための良い試みだと思います。

 

「三朝小唄」生誕80周年記念モニュメント

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元は野口雨情作詞・中山晋平作曲の小唄で、全国的にヒットしたことから製作された1929年の映画「三朝小唄」の80周年を記念して作られたモニュメント。

 

個人的には映画から80年後にモニュメントを作ったことに、静かに衝撃を受けました。映画はソフト化されていないので、これを見て「あの映画のシーンだ!」となる人は、リアルタイムで映画を見た80歳以上の人だけのはずです。ほとんどの人は知らないわけで、どんな意図で誰をターゲットにしたのか、その製作意図が知りたくなります。

 

ただ小唄と共にこの映画も大ヒットしたことで、三朝温泉の全国的な知名度が上がり繁盛するようになったそうなので、地元の人にとって大切な作品なのかもしれません。町のアイコンというかアイデンティティというか。あの映画のおかげ、と代々語り継がれたりしてそうです。

 

映画は知りませんが、モニュメント自体は当時の温泉地を訪れた人々の様子が偲ばれて悪くないです。ちなみに映画は奇跡的に現存していて、温泉街の芝居小屋「ニューラッキー」などで上映会が行われているそうです。

 

河原風呂

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モニュメント脇の階段から下りた所にあるのが河原風呂。24時間無料で入れる混浴露天風呂です。周囲から丸見えなのでただでさえ難易度が高いですが、さらにタオルや水着もNGだそうです。

 

www.sankei.com

わりと近くの混浴露天風呂では「隠さない」と問題になってたりしますが。各地によって事情は様々です。ちなみに足湯もあるので、こちらなら大丈夫です。

 

温泉本通り

モニュメントの近くから始まる昔ながらの温泉街の雰囲気を味わえる通り。 

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三朝橋を渡って対岸へ。

 

民芸画廊 扇屋

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民芸品、陶器、織物などを扱うお店。やる気のなさそうな看板猫がいます。

 

三朝薬師の湯 万翆楼

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山際にそびえたつ大きな旅館。赤い手すりが印象的です。


 

 

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川沿いを東に向かいます。

 

キュリー広場

半円状となった広場。後で知って何で?と驚きましたが、フランスの凱旋門周辺を意識しているそう。西側に無料駐車場あり。

 

ブランナールみささ 外来露天風呂

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ホテル「ブランナールみささ」の敷地内にある外来露天風呂。無人で料金箱にお金をいれて入浴するスタイルのようです。しかし100円とは安い。お手軽で良さそうです。


 

 

友好の鐘

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三朝町の友好都市であるフランスのラマルー・レ・バン町から贈られた鐘。ただしひもが付いていないので鳴らせません。きっと馬鹿みたいに鳴らしまくる人間がいたんだろうなと想像してしまいます。

 

ステージ

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凱旋門に見立てられた野外ステージの柱のレリーフ。なんでこんなに洋風なんだと思っていましたが、パリをイメージしているということで謎は解けました。

 

キュリー像

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ステージの横の銅像はキュリー夫人像。ちなみにキュリー夫人は生前、この地を訪れたことはありません。

 

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三朝温泉はラジウム含有量が世界一ということで有名?ですが、そのラジウムを発見したのがキュリー夫人。つながりはそれだけ。銅像が険しい顔をしているのも頷けます。

 

まさか彼女も遠く日本の片隅で自分の銅像が建てられ、半ば祀られるように「キュリー祭」とかいう謎のお祭りまでされるようになるとは思っていなかったでしょう。

 

三朝バイオリン美術館

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川沿いから少し山側に行った所にあるバイオリン美術館。なぜこんな所に?となりますが、バイオリン製作を学べる「鳥取ヴァイオリン製作学校」もあったりして、結構マジです。なぜこの地に?という謎は残ったままですが。

 

ここの立体駐車場の3階は、観光客用の無料駐車場になっています。

ヴァイオリン (岩波新書)

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恋谷橋(こいだにばし)

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三朝川に生息するカジカガエルのモニュメント、地元のイベント「陣所の大綱引き」のデザインが施された歩道、三徳山投入堂をイメージした東屋と、地域の特徴が詰め込まれた橋。

 

上原多香子映画初主演作品 恋谷橋 [DVD]

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 名前がロマンチックなだけに映画も作られ、橋の中央の陶製のカジカガエルは「縁結びかじか蛙」と呼ばれて、なでると恋が実ると言われているそうです。左右のカジカガエルのモニュメントには絵馬をかけることも出来ます。そういうのが好きな人はどうぞ。

 

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欄干に設置されているのは、タイマー撮影などで使えるカメラ置台。

 

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橋を渡って対岸へ。そのまま道路沿いに南に向かいます。

 

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温泉本通りを過ぎたところにいた黒猫。耳がカットされているので地域猫だと思います。猫って室外機が好きですよね。

 

株湯

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通りを途中で東に向かうと現れる株湯。手前が飲泉場、右が足湯、その奥が公衆浴場です。無料駐車場がありますが、恋谷橋方面からの道は狭く曲がりくねっているので、鳥取倉吉線(県道21号)側からのアクセスがおすすめです。

 

飲泉場

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飲泉場のお湯は手で受けて飲めるくらいの温かさ。ホースが常備されていたので、お湯を汲みに来る人は多そうです。

 

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飲泉場は切り株の形。だから「株湯」です。

 

「大久保佐馬之佑と白狼」像

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源義朝の家来、大久保佐馬之佑が、三徳山に参る途中でくずの木の根株にいる白狼を見つけ、弓で射ようとしたが殺生はダメだと見逃したところ、その夜、夢枕に立った妙見菩薩が自身の使いである白狼を助けたお礼として、根株から温泉が出ていることを教えた、というのが三朝温泉の起源となる「白狼伝説」で、これはそのモニュメント。つまりは、ここ株湯が三朝温泉のはじまりとされています。

 

とりあえずこういうモニュメントは写真を撮りたくなります。

 

足湯

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なかなかの渋さをみせる足湯。足湯でこんなに趣があるのはなかなかないんじゃないでしょうか?

 

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鏡の感じとかからすると、もともとは普通の浴場だったのかもしれません。

 

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この小道が鳥取倉吉線(県道21号)につながる道。こちらも狭いです。小川に架かった欄干には「大久保佐馬之佑」「くずの根株」「白狼」と、「白狼伝説」の要素がデザインされています。

 

川沿いの並木は紅葉が始まっていました。

 

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歩道の案内図も風情があります。そのまま鳥取倉吉線沿いを進みます。

 

三朝温泉多目的駐車場

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広めの有料駐車場。100円/30分で、最大料金1000円。1時間以内の利用は無料です。ほとんど車が停まっていないので無料にすればいいのにと思うのですが、そうすると地元の人が停めちゃうんでしょうね。

 

旧永楽庵庭園(三楽亭)

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駐車場の中にあるのは昭和を代表する作庭家・重森美鈴が作庭した日本庭園。不思議な感じがしますが、要は潰れた旅館の跡地を庭だけ残して駐車場にしたという話です。

 

日本初の「州浜型回遊式」と呼ばれるものだったそうですが、著名な作庭家に依頼できるほど栄えていたのに、今はもうその旅館はないというのは栄枯盛衰、無常を感じます。

 

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このまま道沿いに進み観光案内所の前を通って三朝橋を再度渡り、川沿いを先ほどとは逆の西側に向かいます。

 

三朝川緑地

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道路から河原に下りたところには無料駐車場があります。この辺りを三朝川緑地というようです。向こうに見えるのはかじか橋。

 

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土手にはこの季節、ヒガンバナ(曼殊沙華)が咲いています。

 

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かじか橋に向かう途中の自販機には三朝温泉や国宝投入堂などがある三徳山のイラストが描かれています。

 

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バス停にも温泉と投入堂のイラスト。

 

かじか橋

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歩行者専用のかじか橋。

 

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歩道にはカジカガエルの画が。

 

足湯 かじかの湯

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そして橋の中央にはなんと足湯です。珍しいですね。ちなみに冬場は寒すぎるので足湯は閉鎖されるとの事。

 

三朝町ふるさと健康むら

橋を渡って南岸に。さらに西に進むと 陶芸や織物の体験ができる工房や物産館がある三朝ふるさと健康むらがあります。広い駐車場あり。

 

喫茶サンテ

物産館内にある喫茶店。三朝名物のラードン麺やイソフラボン含有量の多い地大豆「神倉大豆」を使った納豆定食が食べられます。

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健康むらの前の三朝川にはカモ?が優雅に泳いでいました。この辺りは緑あふれてビオトープ感が出ています。ホタルもいるようです。

 

キュリー公園

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健康むらからかなり西に行った何もない道路沿いの広場にポツンと立つキュリー夫妻像。誰が立ち寄るんだ?みたいなところにあります。ま、立ち寄っちゃってますが。

 

キュリー夫人―ラジウムを発見、人々の幸せに役立てたポーランドの科学者 (伝記 世界を変えた人々)

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またキュリー夫人ですが、こちらは夫もいます。デヴィ夫人同様、夫がいてこその夫人なんだよな、と再認識させられます。もう一度言っておきますが、キュリー夫妻は生前、三朝温泉を訪れたことはありません。

 

スーパー サントマト

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さらにかなり西に行った所にある地元スーパー「サントマト」。何か面白いお土産でも、と立ち寄ってみました。

 

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野菜のかご売りってすごい。そして店内に入って驚かされるのは、乾燥させた野菜や果物の豊富な品揃え。よく見るようなドライフルーツやキノコ類だけではなく、小松菜を乾燥させて粉末状にしたものなど、とにかくありとあらゆるものを乾燥させて売っているんじゃないかと思うほど。しかも、ほぼすべて試食可能。クレイジー感が溢れています。是非、この狂気を自分の目で確かめてほしい。

 

乾燥野菜・果物へのこの異常なまでの情熱はどこから来ているのか、気になります。山間地なので、かつては冬場の保存食を作っていたことからの流れなんでしょうか?

 

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地酒「三朝正宗」(215円)と乾燥果物「梨」(298円)を購入しました。

 

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梨のパックの裏側のラベル。産地名、原材料名、内容量は手書きです。あれだけの乾物のラベルをすべて手書きしているとは。すごい情熱です。

 

まとめ

あちこちに公衆浴場や足湯・飲泉場があって、温泉街らしい雰囲気が漂う町でした。そして、キュリー夫人への片思い的な愛情や突然のフランス推しなど、ときどきミステリアスな面が顔を覗かせるのが面白い。

 

ふるさと健康むらまではすべて徒歩で巡ることも出来ますが、点在する無料駐車場をうまく利用しながら疲れない程度に歩くのがいいのかな、という気がします。

 

 

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