
鳥取県の三朝温泉(みささおんせん)街にあるレトロな風情漂う「温泉本通り」を散策してきました。

温泉街を流れる三徳川に架かる三朝橋のすぐ近くにその「温泉本通り」があります。いい道幅と建物の並びで吸い込まれるように足が向いてしまいます。

ちなみに本通りの反対側の通りはこんな感じ。「ヌード」の看板が印象的です。こちらは少し歩くとすぐに建物は途絶え、山と川に挟まれた自然あふれる通りとなります。
大綱引資料館「陣所の館」

本通り入り口のひと際目立つ赤瓦の三階建ての建物は、大綱引資料館「陣所の館」。

大通り側から見たところ。かなり立派な建物です。今は資料館ですが、元々は何の建物だったのか、気になります。
1階

入館料無料。毎年5月の「花湯まつり」で行われる「陣所の綱引き」に関する資料館です。実際に綱引きに使われる藤かづらで編んだ大綱が展示されています。結構ごつい。

ミニチュアで綱引きの様子も再現されています。地元民だけでなく観光客も参加できるみたいで盛り上がりそうです。
東西に分かれて綱を引き、「東が勝てば豊作、西が勝てば商売繁盛」の一年になると云われているそうで、つまりはどっちが勝っても良いことがあるというやらなきゃ損な綱引きですね。

三朝温泉近くの国宝「投入堂(なげいれどう)」の模型もあります。現地で実物を見るには命がけの道のりを行かなければならないので、ここで拝んでおくという手もあります。効果があるのか分かりませんが。
2階

2階にも行けます。階段も面白い。本棚に少し漫画が並んでいる何もないスペースです。

窓から望む三朝橋もいい感じです。この資料館は意外と夜遅く(21:30)まで開いていて、昼間は無人でしたが夜は係の人がいる模様。
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資料館を出て、通りを歩きます。「恋谷橋」「お薬師さん」方面。

マンホールの蓋は三朝橋がデザインされています。
茶田屋
資料館の向かいにある好立地の居酒屋。
茶房三朝亭
看板猫がいるカフェ。
梶川理髪店

小粋で渋い佇まいの理髪店。雑誌「サライ」やテレビ番組「なんでも鑑定団」で紹介されたこともあるそうです。

「SINCE1917」ということなので100年以上の歴史があることになります。その割にはモダンな雰囲気。店が空いていれば中を見学させてもらえるとの事。
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この辺りは射的や芝居小屋の看板が並んでいて、通りの中でも温泉街らしさが溢れるポイントです。
射的「泉娯楽場」

手打ちパチンコ・スマートボール・射的ができる遊戯場。この時間はまだ人があまりいませんが、夜8時を過ぎたあたりになると、かなり賑わっていました。

料金はこんな感じ。すべて一回500円。
岡崎美容院

昭和モダンな店構えの美容院。かつては芸妓さん御用達だったそう。
調刻の館

高野豆腐調刻が展示された館。三朝温泉が発祥の地である剥き物流派「心刀流」の技法が用いられているとの事。
なんで高野豆腐なんかに調刻を?と思ってしまいますが、飾り切りの技術を磨くためやデモンストレーションの一環として、日持ちして加工の容易な高野豆腐を使用してやっているようです。
いつもの食卓が華やかに! 初心者からの飾り切り (NHKまる得マガジン)
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芝居小屋ニューラッキー

現在はレンタルスペースとなっている「ニューラッキー」。その前は鳥取県最後のストリップ劇場だったそう。いつまであったのかと思って調べてみると、平成25年まで。思っていたより最近で驚きます。
栗の木の花びん

店名が民藝品屋さんらしい書体で書かれています。
三朝温泉和紙灯り

鳥取県の伝統工芸品「因州和紙」で作られた灯りが展示してあるスペース。このオレンジのキャラは「湯けむり怪獣ミササラドン」。
その他、この通りのお店や旅館でもこういった灯りが置かれていて、町全体がいい雰囲気です。ただイベント的にやっているようなので、いつも灯りがともされているわけではないかもしれません。
西藤館

温泉街の全盛期の賑わいに思いを馳せながらのんびり歩いていたらいきなり。

急に無言になってしまうような。

この西藤館は1658年創業という歴史ある旅館のようですが、現在は宿泊できないようです。

この感じ、各々の立場によっていろいろな意見があるかと思いますが、(プロフィールには書いていませんが)「観光を愛する普通の観光客」なのでノーコメント。
茶房 木木

雰囲気がよさそうなカフェ。宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」の登場人物カムパネルラのギャラリーがあります。宮沢賢治と親交があり、カムパネルラのモデルともいわれている俳人河本緑石(かわもとりょくせき)は、このお店を経営する木屋旅館の大女将の父親なのだそうです。
店の前の木彫りのオブジェがカムパネラっぽいというか、宮沢賢治っぽいというか・・・、すみません良く知りません。でもとてもいい雰囲気のあるオブジェです。
木屋旅館

茶房木木を経営する木屋旅館。ごつい木彫りの看板です。

迫力を感じる木造三階建ての建物は国登録有形文化財。内部は増改築により明治・大正・昭和の建築が入り乱れ、迷路のよう。部屋や温泉も時代ごとのものとなっているそうで、気になります。
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薬師堂・薬師の湯

ちょっとした広場のようになっている薬師堂と薬師の湯。

薬師の湯は足湯となっています。

温泉は飲むことも出来ます。コップも置いてあるのですが、両手で受けて飲もうとしたら、熱すぎて無理。熱湯でした。

この場所は韓国のドラマ「アテナ」のロケ地になった場所だそうです。
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本通りを少し外れて南に。車が一台停まっただけで人が通り抜ける事すら不可能な細い道。

草が生え苔がむす塀の屋根と木の電柱。
もみの木の宿 明治荘
全部屋から日本庭園が見える宿屋です。
三朝神社
温泉街にある神社。夜に訪れました。
手水者(神の湯)

ここの手水舎はなんと温泉。温かいです。飲泉場でもあります。
本殿

境内は三朝温泉和紙灯りのイベントで明かりが灯り、いい雰囲気。ただし虫に注意です。

本殿の板戸にもある神社の家紋は、三朝温泉を発見したという大久保左馬之佑(おおくぼさまのすけ)の「白狼伝説」にちなんでいるそう。いくつかの神社を合祀したもので、大久保左馬之佑も大久保大明神として祀られています。
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温泉本通りの薬師の湯まで戻ります。
橋津屋

石標の上のウサギのオブジェが可愛らしい旅館「橋津屋」。因幡の白うさぎ?
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共同浴場 中湯

ひっそりと佇む中湯。なかなか入るのに勇気がいりそうな外観だなと思っていたのですが、ここは組合員専用。そもそも入れません。
入れないと分かると逆に気になってしまいます。昔は共同浴場はすべて混浴だったみたいで、なんかすごいですね。
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この辺りからだいぶ通りは寂しい感じに。
御茶屋旅館

古ぼけ具合といい書体といい、侘び寂びのある看板の御茶屋旅館。残念ながらおそらく営業していません。温泉街にはその他にも営業していない旅館がちらほら見受けられてちょっと切ない。
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こちらもすでに営業していないスナック。壁一面がプラタナスに覆われてしまっています。

通りを離れて今度は河原方面へ。三徳川を眺めながらまったりと過ごすのに良さそうなベンチが並んでいます。でも虫に注意。
藤井酒造

通りに戻って、ここは店舗を併設した藤井酒造。軒先の杉玉と同じ感じで、2階の屋根にスズメバチの巣がぶら下がっているのが面白い。

建物も渋い。奥には煙突もあります。

昔のコーラやファンタの空き瓶が飾ってあったりします。カタカナ表記がいいですね。
まとめ
射的場や芝居小屋など、かつての繁栄の面影を残す温泉街。いい感じに鄙びています。夜には旅館での夕食を終えて通りに出てきたらしき人たちで結構賑わっていたのが意外でした。紹介した他にもまだ飲食店や売店が数店あり、ぶらつきたくなる通りでもあります。
いつまでもこんな感じでいて欲しいものですが、逆にこの感じをキープする方が難しいのかもしれません。一部で賑わいながらも少しずつ宿やお店が減って寂しくなっていき、その一方で今回ノーコメントで通したような場所が元気、というまるで日本の縮図のように感じる場所でもありました。
三朝温泉 温泉本通り
駐車場:観光案内所など周辺に無料駐車場あり


