かつては瀬戸内の重要な港として栄えた兵庫県赤穂市の「坂越(さこし)」。古い町並みが今も残る坂越エリアの見どころをまとめてみました。
生島(いきしま)
聖徳太子のもとで活躍し、その後、蘇我入鹿に追われこの地で生涯を終えた秦河勝の墓がある小島。神域として年に一度の祭事以外は立ち入りが禁止されており、そのため原始林が保たれ、国の天然記念物に指定されています。また、この島の存在が、坂越を風避けの良港として栄えさせました。
とうろん台
明治から昭和初期にかけて、航行する船舶に気象情報を伝える役目を果たしていた「とうろん台」を復元したもの。実物はもっと大きくて、吊り下げられた吹き抜きの形状で天候や風向きなどを伝えていたそうです。
ちなみにもともとは「灯籠台(とうろうだい)」だったことから、変化して「とうろん台」になったとか。
このとうろん台のある敷地内に無料の駐車場があります。大道や大避神社の観光の際はここに車を停めると便利です。ただし、あまり広くありません。
大道(だいどう)
千種川と坂越港を結ぶ道。かつては高瀬舟で千種川を下って運ばれた物資や赤穂の塩が、大八車に積み替えられてこの道を通って坂越港に運ばれていました。地図で見ると山と山の間にあり、川と海を繋ぐ道がここしかなかったということが良くわかります。この通り沿いに見所が集まっています。
旧坂越浦会所(きゅうさこしうらかいじょ)
大道の坂越浦側の端にある江戸時代後期に建てられた会所。昭和になると「坂越公会堂」として使われました。入館無料。
内庭から入ります。
外庭にも出ることが出来ます。
坪庭の眺め。
当時使用していた食器や道具なども展示されています。写真は船内での帳面や手形などの貴重品の保管に使う「船箪笥」。かなりゴツい作りになっています。
随所に見られる敷物は「赤穂緞通(あこうだんつう)」と呼ばれるもので、かなり高価なものらしいです。
「緞通」とは簡単に言えば、厚みのあるのが特徴の中国由来の敷物のことで、赤穂緞通は鍋島緞通、堺緞通と並んで、日本三大緞通と呼ばれています。
2階にも上がれます。窓からは海が望めます。
観海楼(御成之間)
2階の海に面した一番良い場所は、赤穂藩の茶屋として藩主専用の部屋となっていました。位の高い人が使う部屋のみ、壁の色が変わっているのが面白いです。
落之間
その隣の狭い入り口の、一段低くなった長細い小部屋。藩主やその家族たちが、休憩や宿泊に利用したといわれています。
こんな狭い部屋なのに枕が二つ並び、小さな金屏風が置かれていて、なんかやらしいですね。意味深です。
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奥藤酒造郷土館(おくとうしゅぞうきょうどかん)
現在兵庫県で二番目に古い、400年以上続く歴史ある酒蔵。
長く続く酒蔵は存在感があります。
「忠臣蔵」「乙女」が代表的な銘柄です。
渋い看板に従って敷地内に入り、右手奥が郷土館です。ただし日・祝祭日は休館なので注意が必要です。入館無料。
「忠臣蔵」の利き酒・販売もやっていて、上機嫌になっているおじさんたちがたくさんいました。通りには観光客がぱらぱらといるくらいだったので、賑やかな光景にちょっと驚きました。
この敷地内で「おくとう市」という楽しそうなイベントも隔月で行われています。
その2に続く