きび六

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復元天守だけどあなどれない【大洲城】

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伊予の小京都と呼ばれる愛媛県大洲市(おおずし)。その大洲市のランドマーク的存在となっている大洲城に行ってきました。

 

大洲城は藤堂高虎や脇坂安治によって近世城郭として本格的に整備され、江戸時代に加藤貞泰が入城して以降は、大洲藩加藤家の居城となっていました。明治時代に取り壊されましたが、2004年に当時の工法・木造で復元されました。

 

 

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大洲市民会館側から歩くと見えてくる天守閣。手前に見える建物は「下台所(しもだいどころ)」。県の指定有形文化財で、食料庫として使われていたと考えられています。

 

大洲市民会館に有料の駐車場があります。少し遠くなりますが、観光駐車場や大洲まちの駅あさもや等、幾つか無料の駐車場があります。周辺を散策しながらお城に向かうのもありです。

 

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道はやがて坂道に。

 

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途中、ちょっとした公園のような場所があり、近江聖人こと中江藤樹の銅像があります。陽明学の開祖と言われる中江藤樹は、祖父母が伊予大洲藩主加藤家の家臣であったため、10歳から家督を継ぎ27歳で脱藩するまでの期間、この地で過ごしました。

 

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さらに坂道を登ると天守閣が目の前に。隣の櫓は工事中です。

 

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櫓の横を回って入場口に到着。ここまで所要時間は10分位です。外から見ると黒い城のイメージですが、ここから見るとそうでもないです。見る場所によって印象が変わるお城です。

 

天守閣の左にあるのが「高欄櫓(こうらんやぐら)」で右が「台所櫓(だいどころやぐら)」。この左右の櫓は、解体されずに残った櫓で、国の重要文化財となっています。

 

これらの建物全てを復元したのかと思ったら、天守閣のみが復元された建物ということで驚きました。両隣の櫓を残していたなら天守閣も残しておけば良かったのに、と思いますが、老朽化が激しかったため取り壊されたそうです。もったいないけど仕方ないですね。

 

台所櫓

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台所櫓に入り口があり、観覧料を支払い、靴を脱いで中へ。

 

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お城の模型や、武将のコスプレが出来る甲冑(有料)が展示されています。その他、グッズの販売スペースもありました。

 

天守閣

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天守閣は4重4階の建物。

 

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1階は甲冑や築城時の様子を模型化したもの等、各種資料が展示されています。

 

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1階と2階の間には城では珍しい、吹き抜けが設けられています。

 

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3階から階段は急に。

 

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昇り降りの際、ちょんまげの人は頭をぶつけないよう注意が必要です。

 

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最上階は窓も小さく、薄暗くひっそりとしています。もうちょっと見晴らしが良いといいのですが、忠実に再現しているわけなので仕方ないです。

 

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窓からは台風通過中の肱川が望めます。

 

仕口・継手体験コーナー

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戦後初の当時の工法・木造で復元された天守であることから、城内には工事の様子や資料が展示されているのですが、中でも面白かったのが高欄櫓への渡櫓に展示されていた仕口・継手の体験コーナーです。

 

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釘を使わずに木材同士を接合する伝統工法が紹介・展示されていて、実際に組んでみることができます。こういうのっていつも説明を聞くだけなのでふーん、で終わってしまっていたのですが、実際に複雑な構造を見て組んでみると、おーっ、といちいち感動してしまいます。面白くて、夢中で全て組み立ててしまいました。 

木造建築の継手と仕口

木造建築の継手と仕口

  • 作者:富樫 新三
  • 発売日: 2013/11/01
  • メディア: 単行本
 

 

高欄櫓 

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1階は当時の城下の模型があり、階段を上がると高欄櫓の名前の通り、高欄が設けられていて眺めが良いスペースになっています。

 

まとめ

復元した天守ということで正直あまり期待していなかったのですが、なかなか見応えがありました。当時の資料が豊富に残っていたため、忠実に復元できたというのもポイントが高い。各地のお城は容赦なく取り壊されていったイメージがありますが、このお城は老朽化のため仕方なく取り壊したっていうエピソードも良いです。それだけ愛されていたお城なんでしょうね。人びとの文化レベルの高さが窺えます。

 

お城の周辺にも城壁や櫓が所々にあって、それらと併せて当時の様子を思い描くのも面白いです。

 

大洲城

住所:愛媛県大洲市大洲903

営業時間:9:00~17:00

定休日:年中無休

観覧料:大人500円 小人200円

 

 

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