きび六

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今月の本と映画と音楽(16年07月)

 

言ってはいけない―残酷すぎる真実ー 橘玲

★★★★☆

言ってはいけない―残酷すぎる真実―(新潮新書)

言ってはいけない―残酷すぎる真実―(新潮新書)

 

ここに書いてあるすべてが残酷すぎるってわけでもなかったけど、遺伝は残酷な部分がある。犯罪者になる遺伝子を持っているなんて言われたらつらい。これに対して感情論のみで異を唱えたり、逆に積極的にそんな人間は事前に排除しようなんて動きが出てきたりする過剰な反応も怖い。恐らくは個々が自分の持つ遺伝子を認めて冷静に対応するって事が正しい知識の活用法なんだろうな。

 

その他の事柄も興味深い内容ばかりだった。子供が親の言うことを聞かない理由とか。確かに人は現在所属する集団に溶け込もうとする。昔の友人と何年ぶりかに会っても昔話以外はそんなに盛り上がれないのはもう所属する集団が違ってしまっているからなんだろうな。

 

 

エドウィン・マルハウス

 ★★★☆☆

帯で伊坂幸太郎西加奈子が絶賛していたので思わず購入した。文庫本だけど500頁以上あり、1,500円と結構な値段。ページに文字がほぼ余白なくびっしりと詰め込まれていて単純に文字数だけでその価値はある。

 

国は違えど読んでいると自分の子供時代を思い出してしまう。今思えば不思議なくらい何かに熱中したり、ちょっと遠出しただけで知らない異世界に来てしまったような気になったり、忘れていた感覚が蘇ってくる。

 

 

 マインドコントロール

★★★★☆

興味深く読めた。マインドコントロールにかけられた人は被害者として捉えがちだけど、本来の自分が嫌で自ら積極的にコントロールされようとしている人もいて、その人はその方が幸せだったりするとか、なかなか考えさせられる。そもそも思想や心情なんてメディアや誰かの影響を受けて形成されているのだから、誰もがマインドコントロールされているとも言えるわけで、そんな中でマインドコントロールの被害者ってなんなんだろうと。立場によって捉え方は変わってしまう。

 

 

映画

 

あなたに降る夢 

★★★☆☆

あなたに降る夢 (字幕版)
 

現代のお伽話って言うけど、お伽話には見えないな。大金を手にしても慎ましく生きていました、ならまだ分かるけど、大金を手にしたからこそ出来ることやっているし。好きな物買うのと、寄付するのって、自分にとって気持ちいいことしてるという意味では同じだし。

 

大金あげた相手とできちゃうってあんまり世間に好意的にとられないと思うけど。日頃の行いがどうだったにしろ。

 

不意に大金を手に入れると何が起きるかについて知るにはいい映画。

 

 

極道の妻たち 三代目姐

★★★★☆

極道の妻たち 三代目姐
 

やっぱショーケンは存在感がある。狂気を感じる。何言ってるか分からないところもあったけど。なんだかんだで面白かった。

 

普通のヤクザ映画ではこういうエンディングにはならなかっただろうな。女目線で描くからこういう結末もあり得る。

 

 

バベットの晩餐会

★★★★☆

バベットの晩餐会 HDニューマスター [DVD]

バベットの晩餐会 HDニューマスター [DVD]

 

デンマーク映画。辺鄙な場所の宗教家の老婆が二人登場して物語が始まった時は、重苦しい気分になりしばらくそれが続いたが、晩餐会の準備が始まる辺りから俄然楽しくなってきた。

 

単純に料理作っている職人的シーンだけでもついつい見入ってしまうのだが、それを食べた人たちが次第に心を解きほぐしていき寛大になっていくのが良い。やっぱり旨いものを食べるっていうのは大事。

 

 

そして父になる

★★★★☆

そして父になる

そして父になる

 

深く考えさせられる。6年間愛情やらなにやらのコストを投資した血の繋がらない子供と知らない場所で育った血の繋がった子供。知らないほうが良かった事実だけど、知らされなかったらそれはそれで腹立つだろうし。

 

主人公が真実にうろたえおろおろする普通の男じゃなく、ちょっと嫌な奴なのが良い。この事件を通して父親になっていく。

 

 

海峡

★★★☆☆

海峡

海峡

 

青函トンネル工事のプロジェクトX風。しかし30年ってすごいな。もし今の技術でやってもそれくらいかかってしまうのだろうか。

 

晩年のイメージがありすぎて最初、森繁久彌に気付かなかった。それから大量に水を使った映像が見応えがある。 

 

 

サラリーマン専科 単身赴任

★★★☆☆

サラリーマン専科・単身赴任 [VHS]

サラリーマン専科・単身赴任 [VHS]

 

普通の会社員がふとしたきっかけで、財界の大物だとか実力者と知り合いになるっていうのがサラリーマンの最大のファンタジーなのか。なんだかな。

 

ラストが寅さんっぽかったけど、やっぱサラリーマンだと自由な感じがしないのでおかしみというより、悲哀を感じてしまう。

 

 

昭和残侠伝 死んで貰います

★★★☆☆

結構入り組んだ人間関係。理解するのに時間がかかった。必死に耐えて耐えて、こらえきれずに最後に爆発する。痛快というよりも悲壮感を感じる。

 

最後のラスボスがラスボス感がなかった。あっさり。対決を描くというよりも高倉健の生き様を描くという感じ。

 

 

単騎、千里を走る。

★★★★☆

単騎、千里を走る。 [DVD]

単騎、千里を走る。 [DVD]

 

中国奥地の風景。これ見るだけでもこの映画を見る価値がある。

 

あきらめずどこまでも自分の希望を通そうとする高倉健にドキドキしてしまうが、なんとか希望を叶えてあげようとする現地の人達の優しさに胸が熱くなる。みんながあまりに親切で優しいので逆に不安になってしまうほど。

 

最終的には高倉健も目的が変わってしまって、皆が皆に優しくて善意にあふれた世界。

 

 

風立ちぬ

★★★★☆

風立ちぬ [DVD]

風立ちぬ [DVD]

 

晩年の黒澤明のようにどこか抽象的な映画だなとか思っていたら途中からガラリと様相が変わってきた。で、結構アダルトな表現が見られて意外な感じ。

 

戦闘機開発した人の話ではあるけど、反戦的でも好戦的でもない。ただ飛行機を作りたいという情熱に突き動かされていただけで、それができるならなんでも構わない、といった感じか。

 

 

霧の子午線

★★☆☆☆

霧の子午線【DVD】

霧の子午線【DVD】

 

二人の学生時代の話は変な思想にカブれていたから理解できるけど、現在で起きたことには理解できない。復讐なのか、吉永小百合が小悪魔ってことなのか。結構いい歳の二人の女優が体張っているので熟女が好きな人にはいいのかも。ラストはコントみたいだったけど。

 

 

川の底からこんにちは

 ★★★☆☆

川の底からこんにちは [DVD]

川の底からこんにちは [DVD]

 

映画の中でおじさんやおばさんがカッコ良いセリフを吐くことがあるけど、現実世界でやるとこんな風に見えてるんだよなあ。ビジュアル的に。でもかっこよかったりするんだけど。

 

現実認識してその上で頑張るんだというメッセージ。世の中の人々は現実を直視せずに自分は人と違うんだと斜に構えて気取っているだけなのかもしれないな、と思った。頑張っている人を小馬鹿にしながら。「その時ゃ政府を倒すまで」って歌詞が印象的だった。

 

 

インサイド・マン

★★★☆☆

そこそこ面白かったんだけど残念な点も多かった。とりあえずクライヴ・オーウェン演ずる男の脱出はあんな幼稚な方法ではダメでしょ。絶対バレる。かなりがっかりした。そして、単純に痛快な銀行強盗でもなく、犯人と警察の息詰まる対決でもなく、もっと違った種類のことを描こうとしている。スパイク・リーらしいというか。

 

「ゲット・オン・ザ・バス」でもそうだったけど、スパイク・リーは過去の過ちに厳しい。今回は同意できるけど。

ゲット・オン・ザ・バス [DVD]

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見えないほどの遠くの空を

★★★☆☆

見えないほどの遠くの空を (小学館文庫)

見えないほどの遠くの空を (小学館文庫)

 

ありがちな話かと思ったら意外な展開があって面白くはあった。けど、言いたいことが小さく生きるんじゃなくって大きく生きようぜって、なんか普通というか、そこから?みたいな今更感は否めない。でも最近はそこから訴えていかないといけないくらい、夢を見ない社会になってしまっているってことなのかも。

 

 

猫侍

★★☆☆☆

劇場版 猫侍

劇場版 猫侍

 

この侍、この映画の中でなんの目的も持っていない。ただ周りが騒いでいるのを傍観しているだけ。目的を持って積極的に関わることもできたのに何もしない。それを見ているこっちは何がしたいんだ、ってイライラしてくる。イマイチな長いコントを見せられている気分。 

 

 

土竜の唄 潜入捜査官REIJI

★★☆☆☆

予算があったのかわからないけどディテールに力入りすぎてそれがうるさい。やりたいことはすべてやっているんだろうけどそれがうまく整理できてなくて長いし、何より主演に感情移入できないのが辛い。 冒頭のジャニーズが素っ裸で体張るってのがただやりたかっただけのような気もする。関係者は得意気になってるのかもしれないが、見てる方はどうだろう。

 

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